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ボルト・ワット・アンペアって何が違うの?2022.7.1

ボルト・ワット・アンペアって何が違うの?

電圧・電流・電力の違いとは?

私たちが日常でよく耳にする電気にまつわる用語で、その違いを探っていきましょう。
まずは「電圧」。これは、回路に電気を送り出すためにかける力の量(圧力)を意味しています。単位は「ボルト(V)」で表され、その数字が大きくなるほど、圧力が高い=流れている電子の勢いが強いことを示します。
日本では各電力会社から供給される電気は電圧が一定に保たれているため、一般家庭のコンセントのほとんどが100ボルト、もしくは大型エアコンやIH用などの200ボルトに設定されています。

次に「電力」とは、電気によってどれくらいの仕事ができるかを示す用語です。単位は「ワット(W)」で表されます。家庭用の電球を購入する際、明るさを表す単位として参考にされている方が多いのではないでしょうか。電球のほかにも、電化製品の取扱説明書には、消費電力としてワット数が記載されています。この数字が大きい電化製品ほど、電気を多く消費するということです。電気料金は、使用した家電製品等のワット数と、使用した時間をもとにして算出されます。ワット数の大きい電化製品を長時間使うと、電気料金が高くなる、という仕組みです。

そして、「電流」とは、実際にその回路を流れている電気の量を表しています。単位は「アンペア(A)」で、やはり数字が大きいほど、回路を流れている電気の量が多い=1秒間に流れる電子の数が多いことを示します。
そして、この「電圧」「電流」「電力」は、以下のような関係性を持っています。

電力(W)=電圧(V)×電流(A)

日本の電力会社の多くはこのアンペア制を採用し、プランごとに使用できるアンペア数の上限を定めています。自分たちの家庭に最適なアンペア数のプランを選び、基本料金が決まる、という仕組みです。

最適な電気料金プランの選び方は?

最適な電気料金プランの選び方は?

一般的には各プランの契約料、いわゆる「電気の基本料金」は、その月の電気の使用量に関係なく請求されます。この基本料金を固定費とすると、使用量に合わせて加算される従量料金が変動費となります。たとえ、ほとんど電気を使用していない月があったとしても、固定費にあたる月額料金は安くなることはありません。
家庭に合った契約アンペア数は、1日のうち一度に使う電気の最大使用量を目安に決定するのが最適です。日中家事をまとめてするというご家庭は、掃除機やエアコン、洗濯機などの家電を同時に使う時間帯のアンペア数を把握する、ということです。

電化製品のアンペアを計算するには「電流(A)=電力(W)÷100V(一般家庭用電圧)」で求めることができます。例えば、1500Wの電子レンジをこの式に当てはめた場合、「1500W÷100V=15A」となり15アンペアであることがわかります。このように、同時に使う電化製品のアンペア数を合計し、必要なアンペア数を把握しましょう。
また、東京電力エナジーパートナー(※)によると、一般家庭の契約アンペア数の平均は34.88アンペア(2015年度末時点)となっています。例えば、1Rマンションで一人暮らしなど電気量が少ない場合には30アンペア。家族が多く、電化製品も多く利用する世帯なら40~60アンペアが目安となります。また、ライフステージより、契約アンペア数を見直すことも、こまめな節約に繋がります。
(※)出典:東京電力ホールディングスウェブサイト

Wだけじゃない!kWやkWhとは?

毎日の暮らしに必要なアンペア数、電気を使用するピークの時間帯と同じく、把握しておきたいのが、毎月の「電気の消費量」です。これはワットが単位となります。1000W(ワット)は1kW(キロワット)に相当します。そして、通常、電気料金を計算する場合はkWh(キロワットアワー)という単位を使います。1kWhは「1kW(=1000W)の電力を1時間(アワー=hour)消費した場合の消費電力量を指します。
毎月、電力会社から届く「電気ご使用量のお知らせ」をぜひ確認してみてください。「使用量」としてkWhを単位にした数字が見つかるはずです。電気の消費量(kWh)は、電化製品の消費電力(W)と使用時間(h)によって決まるため、電気代節約には消費電力(W)が大きい電化製品の使い方を工夫することが大切なことがわかりますね。

蓄電システムで「節約」+「貯蓄」を実現

電気にまつわるいろいろな単位と、それを把握することが電気料金の「節約」に繋がることを、ここまでご紹介してきました。そして、さらにその一歩先、電気を「貯蓄」できるのが蓄電システムです。
蓄電システムでは、太陽光で自家発電した電力も、電力会社からの電力も、両方蓄えておくことが可能です。例えば、電力会社のプランの中でも割安な深夜電力を蓄電システムに充電し、昼間のピーク時間に使用することで、割高な電気を買うことなく家電製品を使うことができます。

家庭における標準的な家電の1日の電力使用

上の図のように生活に必要な家電をしっかり使っても約10kWh、太陽光発電+蓄電システムを有効的に活用することで停電や電力不足を心配することのない、安心な暮らしが実現します。

猛暑に備えて今から「節電」意識を

猛暑に備えて今から「節電」意識を

つい先日、6月27日には今年全国初の電力需給逼迫(ひっぱく)注意報が東京電力管内に発令されました。政府は、この夏の電力需給逼迫に備えるため7年振りとなる全国規模の節電要請や、電力需給逼迫注意報の新設などを盛り込んだ総合的な対策をまとめています。今年3月の福島県沖地震の影響で、複数の火力発電所が損傷したことなども、夏の電力安定供給が難しいのではないかという懸念の理由となっています。また、ウクライナ情勢の影響で、発電に使用する燃料の調達も難しい、というのが現状です。電力会社は常に需要量を予測し、それに適した電気量を供給するようコントロールしていますが、需要と供給のバランスが崩れると電気を安定的に送ることができなくなり、大規模停電のリスクが高くなります。

猛暑が予想される2022年夏。すでに節電に応じた家庭に対して電子マネーなどに交換できる、いわゆる「節電ポイント」の付与を開始している電力会社もあります。6月24日には政府も、節電プログラムへの各家庭・事業者の参加を促すため、2000円相当のポイント支給の検討を行っているという内容を発表しています。
暮らしには欠かせない電気の安定供給のためには、私たち一人ひとりの電気に対する意識と、具体的な行動も大切なポイントになってきます。暑い時間帯には適切に冷房を活用し、水分を補給し熱中症にならないよう注意しつつ、使用してない照明や家電類を消すなど無理のない範囲で節電を心がけたいものです。

ニチコンは家庭用蓄電システムをはじめ、「電気を蓄え、上手につかうテクノロジー」のトップメーカーとして、皆さま一人ひとりの暮らしをより高品質に、地球環境にもやさしい、未来の蓄電システムをお届けしていきます。

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