「新築住宅太陽光パネル義務化」って本当?2022.4.1
今や身近な問題となった電気需給のひっ迫
記憶に新しい2022年3月21日、経済産業省は東京電力管内を対象に初めて「電力需給ひっ迫警報」を発出。その後、東北電力管内にも同警報が発出されました。翌22日の朝からも綱渡りの状態が続き、「電力需要を10%落とさなければ電力供給が追い付かなくなり停電の可能性がある」として、企業だけでなく一般家庭に対しても最大限の節電を呼び掛けました。
なぜこのような事態が起きてしまったのでしょうか?原因は同月16日に福島県沖で発生した地震により、東北地方などにある一部の火力発電所が被災し停止したこと、そして、当日の「季節外れの寒さ」によりエアコンや暖房器具の利用が大幅に増えたことだと言われています。今回のような事態に対し、いまだ抜本的な解決策は出されていません。
見直される「太陽光発電」の重要性
エネルギー不足は日本のみならず、世界共通の課題となっています。アメリカ・カリフォルニア州では、新築住宅におけるエネルギー使用を50%以上削減するために、2019年建築エネルギー効率基準(2019 Building Energy Efficiency Standards)を採択しました。これは、全米で初めて新築住宅への太陽光発電システムの設置を義務づけたものです。その他にも、住宅内部と外部間での熱移動対策を目的とした断熱カバー基準の改定や、換気システムなどに関する分野までも視野に入れた内容となっています。カリフォルニア州がこの条例を採択、2020年1月には施行と急ピッチで整備を進めた理由は、2019年からの新型コロナウイルスのパンデミックによる、社会の根本的な価値観や行動様式が一変したこと。そして、近年続く、記録的な猛暑による電力需給のひっ迫と言われています。今回の日本で起きた事情と、非常によく似ていると言えるのではないでしょうか。
東京都も新築住宅への太陽光発電義務化を検討
東京都は2030年に温室効果ガス排出量を2000年比で半分にし、2050年には実質ゼロにする目標を挙げています。それに伴うかたちで、2021年10月に新築住宅を対象とする太陽光発電設備の設置を義務化する検討が始められました。都の掲げる目的達成のためには、温室効果ガス排出量の約3割を占める「家庭部門」の削減が非常に大きなポイントであり、早急の取り組みが必要とし、有識者検討会による具体案作りが進められています。 この住宅への設置義務付けは政府でも議論されましたが、住宅価格高騰などの懸念から現在は見送られています。しかし、東京都をはじめ、他の都道府県でも太陽光発電や再生可能エネルギーへの取り組みは、確実に進んでいます。
今後のカギとなるのは、やはり「蓄電池」
国際社会でも、産油国での減産措置やロシアのウクライナ侵攻を背景とした原油価格の高騰を受け、化石燃料に頼らない再生可能エネルギーが再注目を集めています。ただ、太陽光発電や風力発電は天候によって発電量が左右されやすいため、導入拡大には需要をコントロールしやすい蓄電池の普及が不可欠です。
蓄電システムで安心の備えを
日々目まぐるしく変化する電力事情。私たちの生活にとっても非常に身近で、真剣に向き合わなければならない課題です。政府や自治体の取り組みに期待すると同時に、私たち一人ひとりが積極的に取り組んでいく時代が来たと言えるでしょう。
ニチコンが展開する蓄電システムは、社会情勢や急変する電力需給バランスに左右されることなく、日々ご家庭で必要なエネルギーを確保するためのシステムをご提案しています。「太陽光発電+蓄電池」のシステムにより、地球に優しい自然エネルギーで、停電の心配がない暮らしが実現します。また、地球規模での脱酸素化社会に向けての、個人ができるもっとも有効なアクションでもあります。
より明るく、安心して暮らせる明日のために、ニチコンはこれからも蓄電システムの開発に努めていきます。