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今後どうなる?売電価格の最新事情2022.3.14

今後どうなる?売電価格の最新事情

太陽光発電の普及とその後

太陽光発電が「投資」として注目されるようになったきっかけは、2009年にスタートした「固定価格買取制度(FIT)」です。それまでは、太陽光発電で作った余剰電力は各電力会社が自主的に買い取るもので、その買取価格は24円/kWhと決まっていました。しかし、FIT制度開始により、価格は48円/kWhまで一気に引き上げられました。
そもそもFITが導入されたのは、太陽光発電の普及が目的。そのため固定買取価格は高く設定され、さらに太陽光発電設置に対する補助金制度も導入されたことで、個人/家庭でも気軽に太陽光発電の設置が実現できるようになりました。

しかし、ここ十年程の間に、太陽光発電で作った電力の売電価格は下落を続けています。
具体的に、これまでの売電価格の推移を見てみましょう。

グラフ

上のグラフの通り、年々売電価格は引き下げられています。2009年には48円/kWhだった価格は、2014年には37円/kWh、2019年には24円/kWh、そして2022年には17円/kWhと、下降し続けています。すでに来年、2023年には16円/kWhになることも決定しており、しばらくこの状況は変わらないと予測されています。
こういった電力の買取価格は、毎年、経済産業省により決定されています。その基準としては「調達価格や調達期間は、各電源ごとに、事業が効率的に行われた場合、通常必要となるコストを基礎に、価格目標や適正な利潤などを勘定して定められる」とあります。つまり、FITにより太陽光電力の市場が拡大・安定化したことや、設備導入の低廉化、各電力会社による価格競争など、様々な状況を鑑みて売電価格は定められているのです。

卒FITしたらどうなるの?

卒FITしたらどうなるの?

一般的な家庭用の太陽光発電システムでは、作った電気を自家消費し、そこから余った電力を買い取ってもらう(売電する)「余剰電力買取制度」が適用されます。しかし、先にあげた固定価格での買取期間は10年間と定められており、FITを導入した10年後には、各電力会社や新電力企業等と新たに買い取り契約を結ばなければなりません。これをいわゆる「卒FIT」と呼びます。

2022年現在、各地域の大手電力会社の卒FIT向け価格は、概ね7円/kWh~9円/kWh。FITで設定されている固定価格よりもさらに下回ります。平均値として、各家庭での太陽光発電力の使用の割合は、自家消費が3割、売電が7割と言われています。自家消費を出来るだけ低くし、出来るだけ多くの電力を売電することで収入を上げる、というスタイルです。しかし、現在ではあまり有効な収入源とは言い難いことは、皆さんもすでにお分かりでしょう。

太陽光発電をもっと賢く、有効に

太陽光発電をもっと賢く、有効に

このような売電市場の中、改めて需要が高まっているのが蓄電システムです。大幅に下がってしまった売電価格への対処として、余剰電力を売電せずに、蓄電システムに溜めることで、より効率の良い自家消費が可能になるからです。これは卒FITだけでなく、これから新たに太陽光発電システムの設置を考えているご家庭にも有効です。

ニチコンの蓄電システムでは「経済(売電)モード」「グリーンモード」を選択することができます。経済モードは太陽光発電の売電を優先するモード。FITが終了するまでは、太陽光で作った電気の売電に加え、安い深夜料金の電気を朝夕の電力使用ピーク時に使用することで、電気代を節約します。一方、グリーンモードは、太陽光発電での蓄電池充電を優先するモードです。昼間に太陽光発電した電力を家庭内で使い、余った分は蓄電池に充電。充電された電力を、夜間に消費するなど効率的な電力の自家消費を可能にします。
例えば、2022年現在での売買価格を基に、太陽光発電を新設した場合の経済的なメリットを計算すると――

太陽光発電を新設の場合

ということになります。勿論、新電力の登場を機に大手電力会社だけでなく、新規参入した様々企業/業者からも、特色ある電力プランが多く提供されています。「この家での電力使用はどれくらい?」「利用時間のピークはいつ?」など、我が家の電力事情をしっかりと把握した上で、よりお得なプラン選びと、蓄電システムの活用が、今後はさらに重要になっていくはずです。ニチコンでは、「家庭で電気を作る・蓄える・使う」を目指す皆さまのために、多種多様な蓄電システムをご提案しています。蓄電システムで時代の一歩先をゆく、より理想的な電力マネジメントを、これからも全力でサポートさせていただきます。

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