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東京2020オリンピック・パラリンピックで実践されたサステナブル2021.10.5

2021年日本の電力事情は?

2021年の夏を大いに盛り上げた、東京2020オリンピック・パラリンピック(以下、東京2020五輪と略)。
世界規模のパンデミックの影響による開催時期の延期や無観客開催など、五輪史上、これまでにない様々な課題に取り組んだ大会となりました。
今回はその中でも東京2020五輪で実施された「サステナビリティ/持続可能性」の取り組みをご紹介します。

過去には、会場跡地の利用問題や大会期間中の会場や選手村から出る大量のゴミが問題になったことをきっかけに、新時代の五輪はエネルギー資源の有効活用や、大会開催時/終了後にも地球環境に負担のかけることのない《持続可能なスポーツイベント》への変革が求められるようになりました。

東京2020五輪では「Be better, together/より良い未来へともに進もう」というスローガンのもと、持続可能な大会の準備・運営に向けて、取り組むべき5つの主要テーマ「気候変動」「資源管理」「大気・水・緑・生物多様性等」「人権・労働・公正な事業慣行」「参加・協働・情報発信」を定めました。この5つの主要テーマに対する取り組みは、持続可能な開発目標(SDGs)と広く関連しています。

家庭で電力を「作る/使う」安心

具体的な取り組みとしては、63の自治体から借り受けた木材で選手村の施設を建設し、大会後には各地で木材を再利用する「日本の木材活用リレー」や、大会で付与される約5,000個のメダルを国民の使用済み小型家電から鋳造した「みんなのメダルプロジェクト」、家庭ゴミとして出されるプラスチック等を集めて表彰台を製作する「みんなの表彰台プロジェクト」など、これまでにない試みが多く実施されました。また、各会場の内外や、選手村での移動、マラソンの先導などでも目にした車の多くが、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池自動車)だったことを記憶されている方も多いのではないでしょうか。

車に限らず、再生可能エネルギー電力の利用は、東京2020五輪において非常に重要な意味を持っていました。大会期間中、各競技会場、選手村、国際放送センター、プレスセンターなど、49施設では再生可能エネルギー由来の電力が供給、使用されています。
再生可能エネルギーとは資源に限りのある化石燃料とは異なり、一度利用しても比較的短期間に再生が可能で、資源が枯渇せず繰り返し利用できるエネルギーです。水力/風力/地熱/バイオマス/太陽光発電が、この再生可能エネルギーにあたります。発電時に地球温暖化の原因となるCO2を排出しないため、環境配慮型エネルギーとも呼ばれます。

我が家でも考えたい、未来のためのエネルギー問題

現在、日本のエネルギー供給のうち、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料がその8割近くを占めており、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。日本のエネルギー自給率はわずか6%と、諸外国に比べてもとても低い数値です。海外からの輸入に多くを頼っている日本にとっては、安定したエネルギー源の確保は大きな課題です。再生可能エネルギーの推進は、純国産エネルギーを生み出すことにも繋がります。

もちろんこれは、国として取り組むべき大きな課題です。と同時に、私たち一人ひとりが考え、行動できる課題でもあります。電力会社によっては、家庭への供給電力を再生可能エネルギーにできるプランを設定しているところもあります。また、蓄電システムを利用すれば、電力会社からの電力を「蓄える」「使う」を効率的に行うことができます。また、太陽光発電システムと蓄電システムを連動すれば、電気を「作る」「使う」を循環させることで、我が家の環境配慮型エネルギーも可能です。

2024年の開催が決定しているパリ五輪は「これまでで最もサステナブルな大会」を目指すと発表されています。より豊かな《持続可能な社会》を目指して、私たちに出来ることは何か? 地球と私たちの未来のために、ニチコンの蓄電システムは、その最初の一歩をサポートします。

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